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林 孝夫; 西谷 健夫; 石川 正男
Review of Scientific Instruments, 75(10), p.3575 - 3577, 2004/10
被引用回数:12 パーセンタイル:53.63(Instruments & Instrumentation)ITERでは、核燃料物質を内蔵した小型円筒形の電離箱であるマイクロフィッションチャンバー(MFC)を中性子モニタとして真空容器内に設置する予定であり、そこでは強磁場中における中性子計測となる。今回、ITER運転期間中の中性子計測効率の変化が十分小さくなるように原研で設計開発したMFC(長さ:200mm, 直径:14mm, UO:12mg, U濃縮度:90%)を用いてJT-60U真空容器のすぐ外側(トロイダルコイルの内側)において中性子計測を行うことにより、強磁場中(2T)での中性子モニタとしての健全性を初めて評価した。MFCで計測された中性子発生率は、JT-60Uの既設の中性子モニタとの優れた線形性を示し、MFCの計測における磁場の影響は見られなかった。しかしNBI装置のブレークダウン時にノイズ信号が確認され、このノイズ信号はブレークダウンの発生場所に依存しなかった。またプラズマディスラプション時にはノイズ信号は確認されなかった。ノイズの発生原因はおそらく検出器からプリアンプまでの長いケーブル配線によるものであり、このノイズ信号を除いた場合の計測精度はITERで要求されている精度(10%)を満足した。その結果、ノイズ対策の強化によりITERでの中性子モニタとしての有用性を確認した。
山内 通則*; 西谷 健夫; 落合 謙太郎; 森本 裕一*; 堀 順一; 海老澤 克之*; 河西 敏
JAERI-Tech 2002-032, 41 Pages, 2002/03
ITER(ITER-FEAT)真空容器内の中性子モニターの開発を目的として、12mgの二酸化ウランを用いたマイクロフィッションチェンバーとウランのないダミーチェンバーを製作し、性能試験を行った。基本性能として、MIケーブルを取り付けたダミーチェンバーの真空リーク率、チェンバー内の導体と外側容器の絶縁性能、50Gまでの加速度に対する耐性はいずれも設計要求条件を満たした。線に対する感度試験は日本原子力研究所高崎研究所のCoガンマ線照射装置によって行った。それによれば、ITER-FEATブランケット背後の環境で、線に対する感度は中性子に対する感度の0.1%以下と評価できた。また14MeV中性子に対する検出器の応答は東海研究所の核融合中性子源(FNS)によって試験した。その結果、20(室温)から250までの範囲で計数率と中性子束の良好な直線性が確認できた。遮蔽体がある場合の検出器応答は遮蔽ブランケットの模擬体を用いて試験を行い、MCNP計算の結果と良く一致したデータが得られた。それによると中性子の減速により検出器の感度は上昇するが、遮蔽体の変動による感度の変化は小さい。結論として、本マイクロフィッションチェンバーはITER-FEATの中性子モニターとして充分な性能を有することがわかった。
西谷 健夫; 海老澤 克之*; Walker, C.*; 河西 敏
JAERI-Tech 2001-066, 57 Pages, 2001/10
マイクロフィッションチェンバーを用いた、コンパクトITER(ITER-FEAT)用中性子モニターの設計を行った。中性子モンテカルロコードMCNP-4bを用いて、マイクロフィッションチェンバーの応答を計算し、マイクロフィッションチェンバーを取付けるための最適な位置を決定した。その結果、外側上部及び下部の遮蔽ブランケットモジュールの裏面にマイクロフィッションチェンバーを取付け、その出力の平均を取ることによって、プラズマ位置や中性子発生分布の変化の影響を受けずに中性子発生量を測定できることを明らかにした。また線等によるノイズを評価するために、Uを含むマイクロフィッションチェンバーと核分裂物質を含まないダミーチェンバーを併せてブランケット裏面に取付けることとした。信号処理ではパルス計数方式とキャンベル方式を併用することによって、ITERの要求仕様である7桁のダイナミックレンジと1msの時間分解能を達成できることを示した。また10 n/sの強度中性子発生装置を真空容器内で移動させることにより、マイクロフィッションチェンバーのその場較正試験が可能であることを、MCNP計算により示した。最終的に、この中性子モニターはITERの要求精度10%を満足するものである。
西谷 健夫; L.C.Johnson*; 海老沢 克之*; C.Walker*; 安東 俊郎; 河西 敏
Review of Scientific Instruments, 70(1), p.1141 - 1144, 1999/01
被引用回数:15 パーセンタイル:68.21(Instruments & Instrumentation)小型の核分裂計数管(マイクロフィッションチェンバー)を真空容器内に配置した、ITER用中性子モニターシステムの設計を行った。検出器の取付け位置としては、プラズマにできるだけ近い方が望ましいが、核発熱の冷却を考慮し、隣り合う遮蔽ブランケットの間に埋め込む方式とした。また検出器に用いる核分裂物質としては、高速中性子のみに感度を有するUが望ましいが、UはPuを増殖してしまい、ITERの運転寿命中に感度が50%も増加することを明らかにした。Uの場合、燃焼による感度低下が問題となるが、高々0.2%程度であることが計算により判明したため、Uを採用した。ITERではこのマイクロフィッシェンチェンバーを、プラズマを取り囲むように11本配置することにより、プラズマの位置変動に影響されずに中性子発生率を測定できることを中性子のモンテカルロ計算により示した。
西谷 健夫; 海老沢 克之*; C.Walker*; 北 好夫*; 河西 敏; L.C.Johnson*
Proc. of Int. Workshop on Diagnostics for Experimental Fusion Reactors, p.491 - 500, 1998/00
従来のトカマクでは、真空容器外に置いた中性子モニターによって、全中性子発生量を測定しているが、ITERでは、ブランケットと真空容器の遮蔽効果のため、その方式では十分な精度で測定することはできない。そこで真空容器内に小型の核分裂計数管(マイクロフィッションチェンバー)を使用した、中性子モニターの設計を行った。中性子検出器を真空容器内に設置した場合、プラズマとその距離が近いので、プラズマの位置変動により、全中性子発生量に測定誤差が生じる恐れがある。そこで数本のマイクロフィッションチェンバーをプラズマをとり囲むように配置することによって位置変動によらず全中性子発生量を高精度で測定できることをモンテカルロ計算により示した。
西谷 健夫; 海老沢 克之*; 井口 哲夫*; 的場 徹
Fusion Engineering and Design, 34-35, p.567 - 571, 1997/00
被引用回数:13 パーセンタイル:70.31(Nuclear Science & Technology)現在の大型トカマクでは、真空容器の外側にUのフィッションチェンバーを設置することにより、発生中性子の測定を行っているが、ITERでは、ブランケットがあるためその方法では精度よく測定することはできない。そこで軽水炉の炉内中性子モニタとして開発された小型のフィッションチェンバーを用いた中性子モニタシステムの設計を行った。マイクロフィッションチェンバーを第一壁近傍に数ヶ所設置することにより、プラズマ位置・形状の変化による中性子発生率の測定誤差を補正することができる。このシステムでは、ウランの燃焼による検出効率の変化が大きな問題であるが、U(80%)、U(20%)とすることにより、検出効率変動の少ない検出器ができることがわかった。